こんにちは、てどりんです。
金融庁が公表しているNISA口座の利用状況調査の最新データ(2025年12月末時点)を、自分で計算してみました。
そこで分かったのは、NISAを本当に活用できている人は、大人の6人に1人しかいないという事実です。
しかも驚いたのは、口座を作ったのに1年間まったく買っていない人が、どの年代でも約3割いること。一番大変な口座開設という山を越えたのに、その先で止まってしまっているのです。
もったいないと思います。口座開設のあとにやることは、たった1つだけだからです。
データで見る「NISAの実態」
まず数字を確認しておきます。すべて金融庁の一次資料から計算したものです。
口座を持っているのは、4人に1人
2025年12月末時点のNISA口座数は2,822万口座。NISAは1人1口座しか作れないので、これはほぼ人数と同じです。
NISAは18歳以上でないと作れません。日本の18歳以上の人口はおよそ1億600万人(総務省の人口推計をもとにした概算)なので、割り算するとこうなります。
NISA口座を持っている人は、大人の約26%。およそ4人に1人です。
そのうち約3割が、1年間まったく買っていない
ここからが本題です。
金融庁は「2025年の1年間で一度も買付がなかった口座」の数も公表しています。年代別に計算すると、こうなりました。
まずは現役世代(20〜60代)から見てみます。
| 年代 | 1年間まったく買っていない | 買っている |
|---|---|---|
| 20歳代 | 35.7% | 64.3% |
| 30歳代 | 29.0% | 71.0% |
| 40歳代 | 30.6% | 69.4% |
| 50歳代 | 31.7% | 68.3% |
| 60歳代 | 35.4% | 64.6% |
どの年代も、だいたい3割です。年齢による差はほとんどありません。
つまりこれは「若者が投資に消極的」という話ではなく、年齢に関係なく起きている現象だということです。
結論:活用できているのは、大人の6人に1人
この2つを掛け合わせます。
- 口座を持っている人:大人の約26%
- そのうち実際に買っている人:約63%(10代・70代以上も含めた、全年代の平均です。高齢層は買っていない人の割合がもっと高いため、現役世代だけで見た約68%より少し下がります)
結果、NISAで実際に買っている人は、大人の約17%。およそ6人に1人です。
これは特定の世代の話ではなく、18歳以上の全年代を合わせた数字です。
「NISAブーム」と言われていますが、実際に動いている人はこれだけです。
なぜ、作ったのに放置してしまうのか
私なりに考えた仮説があります。
「口座が使えるようになるまで、2週間待たされる」と思い込んでしまうからです。
実は私も、そう思っていました。
NISA口座を申し込むと、証券会社の案内にこう書いてあります。
税務署の審査に1〜2週間程度かかります
これを読んだ人の多くは、「じゃあ2週間後にまた来よう」と思ってブラウザを閉じます。そして2週間後には、申し込んだこと自体を忘れているのです。
でも実際は、最短で申込当日から始められます
改めて確認したところ、実態は違いました。
楽天証券の案内によると、こうなっています。
| 段階 | かかる期間 |
|---|---|
| 申込 → 仮開設・取引開始 | 最短で申込当日 |
| 税務署の審査完了(正式開設) | 1〜2週間 |
楽天証券には「仮開設」という仕組みがあり、初期設定とマイナンバーの登録さえ終われば、税務署の審査を待たずにNISAでの取引ができます(すでに総合口座を持っている方の場合。新しく総合口座から作る方は、そのぶん数営業日かかります)。
「2週間」は税務署が裏側で審査している期間であって、その間もう積立の設定はできます。 待つ必要はありません。
もし今、申し込んだまま放置している方がいたら、今日ログインしてみてください。 もう使える状態になっている可能性が高いです。
※ 仮開設は税務署の審査前の状態です。他社ですでにNISA口座を持っているなど審査が通らなかった場合、その取引は課税口座扱いに変更されます。他社に口座がないなら気にしなくて大丈夫です。
口座開設のあとにやることは、1つだけです
ここが一番伝えたいところです。
口座開設という一番大変な作業は、もう終わっています。 本人確認書類を用意して、マイナンバーを登録して、審査を待って——あれが一番面倒でした。
残っているのは、これだけです。
オルカンを選んで、クレカ積立を設定する。
以上です。5分もかかりません。
なぜオルカンなのか
私自身はS&P500に投資しています。でも初心者の方に何か1つすすめるなら、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・オール・カントリー)です。
理由は単純で、後から迷わなくて済むからです。
S&P500はアメリカ1国に集中しています。良いときはいいのですが、「アメリカが落ち目らしい」というニュースを見たときに、経験の浅いうちは不安になります。オルカンなら世界全体に分散しているので、どこかの国が沈んでも、自動的に比率が調整されます。
考えなくていい、というのが最大のメリットです。詳しくはオルカンとS&P500どちらを選ぶ?に書きました。
なぜクレカ積立なのか
「自分で買う」という作業をゼロにできるからです。
毎月自分で買おうとすると、「今月は高いから来月にしよう」という判断が入り込みます。そして、その判断はだいたい外れます(底値を当てる神ですら積立に7割負けるデータを書きました)。
クレカ積立なら、一度設定すればあとは何もしなくても毎月勝手に買われます。ポイントも少し付きます。設定方法はクレカ積立の設定方法にまとめています。
まずは月100円で十分です
「でも、まとまったお金がないと意味ないのでは」と思う方へ。
楽天証券のクレカ積立は、月100円から設定できます。
月100円では、資産は増えません。 年5%で回っても、1年で数円です。ポイントも1ポイント程度です。
それでも私が月100円をすすめるのは、目的が違うからです。
目的は「増やすこと」ではなく、「口座を動かすこと」です。
100円なら、誰でも出せます。損しても100円です。でも一度設定してしまえば、あなたは「3割の放置組」から「6人に1人」に移動します。
そして口座が動き出すと、不思議なもので気になり始めます。「先月より少し増えてる」「あ、減ってる」——その体験を積むうちに、値動きに慣れていきます。金額を増やすのは、慣れてからで大丈夫です。
私も最初は1,000円から始めました。いきなり満額を目指す必要はまったくありません。
「NISA貧乏」より、心配なこと
最近「NISA貧乏」という言葉を見かけます。生活を切り詰めてまで投資に回してしまう人のことです。
でも金融庁のデータを見ると、そういう人は実はごく少数でした。
20代の年間投資額の分布を見てみます。
| 20代の年間投資額 | 全体での割合 | 買っている人の中では |
|---|---|---|
| 0円(買っていない) | 35.7% | — |
| 60万円以下 | 47.9% | 約74% |
| 60万〜300万円 | 14.3% | 約22% |
| 300万円超 | 2.1% | 約3% |
買っている20代のうち、約74%が年60万円以下——月5万円以下です。無理をしている人はほとんどいません。
一方で、何もしていない人は35.7%。年300万円を超えて投資している人(2.1%)とは、数がまるで違います。
もちろん2.1%の中には、本当に無理をしている人もいるでしょう。ただこの数字だけでは「切り詰めすぎ」とまでは言えません。収入が多い人や、実家暮らしで余裕がある人も含まれるからです。
はっきり言えるのは、数の上では「何もしていない人」のほうが圧倒的に多いということです。心配する相手が逆なのではないかと思うのです。
何もしないことにも、実はリスクがあります。インフレと円安によって、持っている現金の価値は静かに減っていくからです。10年前の1万円と今の1万円では、買えるものが違います。
「NISA貧乏」を心配する前に、何もしないことで起きる「ただの貧乏」のほうを考えたほうがいいと私は思っています。詳しくはインフレ対策3つと日本円だけ持っていると損をする時代?に書きました。
もちろん、使いすぎも使わなすぎも、どちらも良くありません。 お金は使ってこそ意味があります。バランスの話です。
まとめ
| 金融庁データから分かること | |
|---|---|
| NISA口座を持っている人 | 大人の約26%(4人に1人) |
| そのうち1年間買っていない人 | 約3割(どの年代もほぼ同じ) |
| 実際に使えている人 | 大人の約17%(6人に1人) |
やることのまとめです。
- 口座開設という一番大変な作業は、もう終わっている
- 残りはオルカンを選んでクレカ積立を設定するだけ。5分で終わる
- 「税務署審査に2週間」は待たなくていい。最短で申込当日から設定できる
- まずは月100円でいい。目的は増やすことではなく、口座を動かすこと
- 「NISA貧乏」より、何もしないことのリスクのほうが現実的
私はただの会社員の個人投資家ですが、だからこそ自分のような忙しい人でも実行できる形で、学んだことを書いています。
詳しく勉強してから始めよう、と思わなくて大丈夫です。 月100円のオルカン積立を設定してから、ゆっくり勉強すればいいと思います。順番が逆でも、まったく問題ありません。
まだ口座がない方は、ここから始められます。開設は無料で、月100円から積立できます。
積立を設定したあとに、1つだけ知っておいてほしいこと
設定が終わったら、この記事の役目はほぼ終わりです。あとは放っておけば大丈夫です。
ただ1つだけ、始めたあとに知っておいてほしいことがあります。
それは「思ったより増えない」と感じる日が、必ず来るということです。そこで焦って危ない方法に手を出してしまう人がいます。
その備えについては、続きの記事に分けて書きました。今すぐでなくて構いませんが、積立を始めたらどこかで読んでおいてください。
▶ 年利7%を鵜呑みにしない|直近5年だけ見ると判断を誤ります
関連記事:
- 楽天証券でNISA口座を開設する手順 — 口座開設からの全手順
- オルカンとS&P500どちらを選ぶ? — S&P500派の私がオルカンをすすめる理由
- クレカ積立の設定方法 — 毎月自動で買われる仕組みを作る
- 投資が怖い初心者へ — 1,000円から始めた話
- インデックス投資とは? — オルカンやS&P500が選ばれる理由
- NISAで月いくら積み立てればいい? — 金額を増やす段階になったら
一緒に少しずつ学んでいきましょう!
※この記事は個人の体験談・感想です。投資には元本割れのリスクがあります。過去のデータは将来の運用成果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。