こんにちは、てどりんです。

「インデックス投資は年利7%くらい」——この数字は、あちこちで目にすると思います。私もインデックス投資とは?複利シミュレーションの記事で使っています。

この数字自体は、間違っていません。

でも、これだけを覚えて投資を始めると、かなりの確率で「思ったのと違う」と感じます。

理由は単純で、7%は何十年もならした平均であって、毎年7%ずつ増えるわけではないからです。

そしてこの「思ったより増えない」という感覚こそが、危ない投資に手を出す入口になります。

この記事では、数字に振り回されないために知っておいてほしいことを書きます。NISAの積立設定はもう済ませた、という方に読んでほしい内容です。

実際の値動きは、7%どころではありません

まず現実を見てみます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の、円に直した年ごとの成績です。

円建てリターン
2022年 -6.09%
2023年 +34.63%
2024年 +40.78%
2025年 +15.66%

※ ウエルスアドバイザー調べの分配金再投資ベース。円に直した数字なので、為替の影響も含まれています。

7%に近い年が1つもありません。

マイナスの年もあれば、40%を超える年もあります。「平均7%」というのは、こういう年を何十年分もならした結果の数字でしかないのです。

つまり、こういうことになります。

「今年は7%増えるはず」という考え方が、そもそも成り立ちません。

直近5年だけ見ると、判断を誤ります

ここが一番危ないところです。

この投資信託の直近5年の成績は、年率でおよそ22%(2026年6月末時点)。

長期平均の3倍以上です。

何が起きるか

今から投資を始める人が、証券会社のサイトで直近の実績を見ます。そこには20%を超える数字が並んでいます。

すると、こう思ってしまいます。

年20%くらい増えるのが普通なんだな

そして実際に積み立ててみて、平均に近い年が来たときに、こう感じます。

あれ、思ったより増えないな

期待値が最初から3倍にズレているので、普通のリターンが「物足りないもの」に見えてしまうのです。

私が心配しているのは、まさにこの状態です。

「もっと儲かる方法があるらしい」の入口

「思ったより増えない」と感じた人が、次にたどる道は決まっています。

思っていたほど増えない → もっと早く増やす方法があるらしい → よく分からないまま信用取引やデイトレードに手を出す

私自身、FXや仮想通貨、短期トレードを少額で試してやめた経験があります。分かったうえで試すなら止めませんが、「よく分からないけど儲かるらしいから」でやるのは、絶対にやめたほうがいいです。

安心してください。NISAの中では危ないことはできません

まず知っておいてほしいのは、NISA口座は制度として、危ないことができない設計になっているということです。

  • NISA口座は現物取引のみ。信用取引はできません
  • 先物・オプションも対象外です
  • NISAで買った株を信用取引の担保にすることもできません

つまり、NISAの中でオルカンを積み立てている限り、借金を背負うような事態にはなりません。

危ないのは、隣にある「課税口座」です

問題はここからです。

実は、NISA口座だけを持つことはできません。 NISAを開くには、その土台として証券会社の「総合口座」——つまり特定口座などの課税口座が必要だからです(特定口座って何?に詳しく書きました)。

つまりNISA口座を持っている人は、必ず課税口座も一緒に持っています。

危険なことができるのは、こちらの口座です。 別途申し込めば信用取引もできますし、デイトレードもできます。

「NISAで少し増えたから、もっといける気がする」——この感覚で課税口座に手を出すと、話がまったく変わってきます。

投資とギャンブルは、商品ではなく「やり方」で決まります。 この話は別記事に詳しく書きました。

月利に直すと、怪しい話が一発で分かります

危ない話から身を守るために、数字の感覚を1つだけ持っておくことをおすすめします。

やり方は簡単で、年利を月利に直すだけです。

年利 月に直すと
年5% 月0.41%
年7% 月0.57%
年22%(直近5年) 月1.7%

長期で現実的な「年5〜7%」は、月に直せば0.4〜0.6%程度です。

ここを押さえておくと、こうなります。

「月利10%」という話は、桁が2つ違います。

月利10%を年利に直すと、200%を超えます(1.1を12回かけると約3.14倍)。

そんなものが本当にあるなら、世界中の金融機関がそれをやっています。あなたのところに話が来る時点で、おかしいのです。

  • 詐欺である
  • 手数料が異常に高いぼったくり商品である
  • たまたま上手くいっただけで再現性がない
  • 成功もするが失敗すると全部失うレベルのリスクを取っている

このどれかだと思って、まず間違いありません。

年利を月利に直す——この一手間だけで、怪しい話の9割は自分で判断できます。

「期間の切り取り」にも気をつけてください

もう1つ、知っておくと身を守れる話があります。

期間を都合よく選べば、オルカンより成績の良い商品はいくらでも作れます。

「過去3年でオルカンを上回りました」という宣伝を見たら、こう考えてください。

  • なぜその期間なのか?(5年や10年だと負けるから、かもしれません)
  • その期間に、たまたま合っていただけではないか?
  • 次の3年も同じように勝てるのか?

後から振り返れば、勝っていた商品は必ず見つかります。 難しいのは、これから勝つ商品を事前に選ぶことです。

グラフや数字を見せられると説得力を感じてしまいますが、「その期間はどうやって選ばれたのか」を一度考えるだけで、だいぶ冷静になれます。

手数料の高いアクティブファンドやテーマ型の商品を避けるべき理由は、NISAの銘柄の選び方にまとめています。

そして、下がる年は必ず来ます

先ほどの表をもう一度見てください。2022年はマイナスでした。

これは特別なことではありません。下がる年は、必ず定期的にやってきます。

そのときに一番やってはいけないのが、怖くなって売ってしまうことです。長期のインデックス投資が右肩上がりになるのは、下がった時期も含めて持ち続けた場合の話だからです。

だからこそ、クレカ積立で自動化しておくことに意味があります。自分の意思が入らなければ、怖くても勝手に買い続けてくれます。

暴落への具体的な心構えは、暴落が来ても売らないNISAでマイナスになった時の対処法に詳しく書きました。下がったときに読み返せるよう、覚えておいてもらえると嬉しいです。

まとめ

覚えておくこと
長期の目安 年5〜7%(月に直すと0.4〜0.6%)
実際の年ごとの成績 マイナスの年も、+40%の年もある
直近5年 年率約22%。長期平均の3倍以上
「月利10%」 年200%超。桁が2つ違う
「過去◯年で勝ちました」 期間の選び方次第。なぜその期間か考える

大事なのは、年利7%を「毎年もらえる利息」のように考えないことです。

そう考えていると、増えない年に必ず失望します。そして失望した人ほど、うまい話に引っかかりやすくなります。

「増える年もあれば、減る年もある。ならせば5〜7%くらい」——この感覚さえ持っておけば、多少の値動きでは動じなくなります。

そして、それが分かっていればやることは変わりません。オルカンを積み立てて、放っておくだけです。

関連記事:

「増える年も減る年もある」と分かったうえで積み立てるなら、あとは自動化するだけです。クレカ積立なら毎月勝手に買われます。

一緒に少しずつ学んでいきましょう!


てどりん
てどりんひとこと 私も始めた頃は「年7%ずつ増えるもの」だと思っていました。実際は増える年も減る年もバラバラで、ならすと7%というだけです。ここを勘違いしていると、増えない年に焦ってしまいます。

※この記事は個人の体験談・感想です。投資には元本割れのリスクがあります。過去のデータは将来の運用成果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。