こんにちは、てどりんです。

暴落は「いつか来る」ではなく「必ず来る」

投資を続けていれば、株価の暴落は必ず経験します。

リーマンショック、コロナショック、利上げによる急落。過去を振り返ると、数年に一度は大きな下落が起きています。

大事なのは「暴落が来ないことを祈る」ことではなく、来たときに慌てないための準備をしておくことです。

この記事では、暴落前にやっておくべき準備と、暴落中の行動指針をまとめます。

実際に私がマイナスを経験したときの話は値動きに慣れるまでの体験談に書いていますが、今回は考え方と準備に絞ってお伝えします。


そもそもインデックス投資は「暴落を受け入れる」投資手法

まず大前提として知っておいてほしいことがあります。

インデックス投資とは、暴落をすべて受け入れる代わりに、上昇も取り逃がさない投資手法です。

市場に居続けることで、市場全体の平均のリターンを取り続ける。それだけで、プロが運用するアクティブファンドの多くに勝てるのがインデックス投資の強みです。日本で売られているアクティブファンドでも、10年で見ると、全世界株では100%、日本の大型株では80%超がインデックスに負けていました(専門家の予想は当たるのかに詳しく書きました)。

つまり、暴落を回避しようとした時点で、インデックス投資の仕組みから外れてしまいます。

「下がりそうだから売って、底で買い戻そう」という考えは、プロのファンドマネージャーでさえ長期では成功できていません。タイミングを読んで売買するのは、インデックス投資ではなく別の投資手法です。

暴落が来たら、甘んじてすべて受け入れる。これがインデックス投資家としての正しい姿勢です。

私自身、最初は頭で理解しているだけでした。でも本やデータで「長期ではアクティブの多くに勝つ」という事実を何度も確認し、さらに2022年の利上げ局面などいくつかの下落を実際に経験して「いずれ戻る」と体で覚えました。

コロナショックのように半年で戻った暴落もありますが、過去には回復に5年以上かかったケースもあります(下の表)。それでも「5年くらい待てば戻ってくる可能性が高い」と思えるなら、暴落を受け入れる準備はできています。逆に「5年も待てない」と感じるなら、投資額を見直したほうがいいかもしれません。

知識と経験の両方があって初めて、暴落を受け入れる覚悟ができると思います。


暴落前に準備しておく3つのこと

①生活防衛費を確保しておく

暴落時に一番危険なのは、生活費が足りなくて投資を取り崩さざるを得ない状況です。

生活防衛費(生活費の3〜6ヶ月分)が手元にあれば、相場がどうなっても生活は守れます。「投資は余裕資金で」という鉄則は、暴落時にこそ効いてきます。

生活防衛費の目安と貯め方はこちらにまとめています。

②自分のリスク許容度を把握しておく

「いくらまでのマイナスなら耐えられるか」を、暴落が来る前に考えておいてください。

暴落の真っ最中に冷静な判断はできません。事前に決めておくだけで、実際に下がったときの行動が変わります。

なお、外国株のインデックスファンド(オルカンやS&P500)は、株価の暴落と円高が同時に来ると、円で見て3分の1程度まで下がることがあります。これは実際に起きたことです。

リーマンショック前後 下落率
S&P500(ドルで見た場合) −55.9%
ドル円(123.5円→98.9円) −19.9%
S&P500(円で見た場合) −64.7%

2007年6月19日→2009年3月9日。S&P500(配当を含まない指数)とドル円の日次終値から筆者が計算。データはYahoo! Finance(米国版)。

株価が半分近くになったうえに円高も重なり、円で見ると100万円が35万円ほどになりました。「そこまで下がっても売らない」と腹を括れるかどうかが、リスク許容度の本質です。

リスク許容度の考え方は値動きに慣れるまでの体験談でも書いています。リスク許容度そのものについては、リスク許容度は、下がってみないと分からないにまとめました。

③積立設定を「自動」にしておく

暴落中に手動で買い付けるのは精神的にかなりキツいです。

クレカ積立のように自動で毎月積み立てる仕組みにしておけば、暴落中も感情に左右されずに淡々と買い続けられます。これが最大の防御策です。


暴落中にやるべきこと

何もしない

身も蓋もないですが、これが正解です。

積立設定はそのまま。追加投資もしない。売りもしない。何もせず、いつも通り生活する。

私自身、アメリカの利上げが続いた時期にかなりのマイナスを抱えました。正直「このまま下がり続けたらどうしよう」と少し迷いました。でも「ここで売ったらインデックス投資の意味がない」と思い直し、結局何もしませんでした。結果的にそれが正解で、相場は回復しました。そのときの詳しい話はこちらに書いています。

証券口座を見る回数を減らす

毎日含み損の金額を確認していると、不安が大きくなるだけです。

積立設定が自動なら、口座を見る理由はありません。月1回の確認で十分です。

SNSやニュースと距離を置く

暴落時のSNSは「もう終わりだ」「全部売った」という投稿であふれます。ニュースも不安を煽るような見出しが増えます。

私も下落時にSNSやニュースを見て不安になった経験があります。自分は売らないと決めていても、「暴落で全部売った」「もう終わりだ」という投稿を見ると心が揺れます。

こういった情報に触れるほど、冷静な判断ができなくなります。投資系のSNSやニュースは、暴落中は意識的に見ないようにするのがおすすめです。


暴落中にやってはいけないこと

①狼狽売り(パニック売り)

一番やってはいけないのが、下がったから売ることです。

売った瞬間に含み損が実損に変わります。そして相場が回復したときに「売らなければよかった」と後悔するのが、投資初心者に最も多い失敗パターンです。

②積立を止める

「これ以上損を増やしたくない」と思って積立を止めるのも危険です。

暴落中の積立は、安い価格でたくさん買えるチャンスでもあります。ドルコスト平均法の効果が最も発揮されるのは、まさに暴落時です。ここで止めると、回復時の恩恵を受けられません。

③レバレッジ商品に手を出す

「暴落で安くなったからレバナスを買おう」「2倍3倍で取り返そう」という考えは非常に危険です。

レバレッジ商品は下落時の損失も倍になります。初心者が暴落時に手を出すべきものではありません。


過去の暴落と回復にかかった期間

S&P500の過去の主な暴落を振り返ります。

暴落 最高値から底まで 最高値に戻るまで
ITバブル崩壊(2000年) −49.1% 約7年2か月
リーマンショック(2008年) −56.8% 約5年5か月
コロナショック(2020年) −33.9% 約6か月

S&P500(配当を含まない指数)の日次終値から筆者が計算。ドルで見た数字です。データはYahoo! Finance(米国版)。

どんな大暴落でも、長期的には回復してきたのが歴史的事実です。リーマンショックの底で売った人は−57%の損失が確定しましたが、持ち続けた人はその後の上昇で大きなリターンを得ています。

何年持てば、元本割れしなかったか

では、何年持ち続ければ損をしなかったのか。1928年から2025年までのS&P500(配当込み)で、ある年の初めに投資して何年か持ち続けた場合を、すべての年で調べました。

持ち続けた年数 元本割れした回数 物価の上昇を差し引くと
10年 89回中5回 89回中11回
15年 84回中1回 84回中5回
20年 79回中0回 79回中0回

一括で投資して配当を再投資した場合。ドル建て。出典:Aswath Damodaran「Historical Returns on Stocks, Bonds and Bills」(ニューヨーク大学)、物価は米セントルイス連邦準備銀行「FRED 消費者物価指数」。筆者が計算。

15年では、まだ元本割れしたことがあります。1929年に投資した人は、大恐慌の影響で15年たっても元本に届きませんでした。物価の上昇を差し引くと、1960年代後半に投資した人も15年で負けています。

20年持ち続けた場合は、一度も元本割れしていません。過去の実績が未来を保証するわけではありませんが、暴落のときに「20年単位で見れば、まだ途中」と思えるのは、心の支えになります。

インデックス投資の仕組みについてはこちらで詳しく解説しています。


暴落に備えるチェックリスト

暴落が来る前に、以下を確認しておいてください。

  • 生活防衛費(生活費3〜6ヶ月分)は確保できているか
  • 投資は余裕資金だけでやっているか
  • 積立設定は自動(クレカ積立など)になっているか
  • 「○%下がっても売らない」と自分の中で決めているか
  • 暴落時に見るSNSアカウントやニュースを限定しているか

すべてにチェックが入っていれば、暴落が来ても大丈夫です。


まとめ:暴落は長期投資家にとっての「通過点」

やること やってはいけないこと
何もしない(積立を続ける) 狼狽売り
口座を見る回数を減らす 積立を止める
SNS・ニュースと距離を置く レバレッジ商品に手を出す

暴落は怖いです。でも、インデックス投資は暴落をすべて受け入れる代わりに、上昇もすべて取りに行く投資手法です。暴落を回避しようとした瞬間に、この仕組みは崩れます。

事前に準備をしておけば、暴落が来ても慌てません。暴落は「終わり」ではなく「通過点」。一番大事なのは市場に居続けることです。

まだNISAを始めていない方も、暴落への備えを理解した上で始めれば安心です。

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一緒に少しずつ学んでいきましょう!


てどりん
てどりんひとこと 暴落は怖いけど、受け入れるからこそ長期で勝てる。インデックス投資を選んだなら、市場に居続けることが最強の戦略です。

出典:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス「SPIVA Japan Year-End 2025」、Aswath Damodaran「Historical Returns on Stocks, Bonds and Bills」、米セントルイス連邦準備銀行「FRED」。暴落の下落率・回復期間・円で見た下落率は、Yahoo! Finance(米国版)の日次終値から筆者が計算。

※この記事は個人の体験談・感想です。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。