こんにちは、てどりんです。

インデックス投資を続けていると、こんなふうに思う瞬間がありませんか。

「今は株価が高いな。しかも円安だし、もう少し下がってから買おう」

私も、まさにそう考えたことがあります。そして待っている間に、さらに上がってしまいました

今回は、その失敗と、そこから調べて知った「タイミングを狙うことの難しさ」についてのデータを紹介します。結論を先に書くと、長期投資なら、なるべく早く買ったほうがいいというのが今の私の考えです。

「株価が安くなったらボーナスで買おう」と思っていた話

株価が安くなったらボーナスで一括投資しようと、過去に思っていたことがあります。

株価は過去最高値を更新したり、円安も進んでいるから、今このタイミングでは損すると思っていたのです。

結果はどうだったか。待っている間に、どんどん値上がりしてしまいました

「あのとき入れておけばよかった」と思いましたが、後の祭りです。しかも厄介なことに、上がってしまうと今度は「もっと高くなった今は、余計に買いにくい」と感じてしまいます。待てば待つほど、買えなくなっていくのです。

底を完璧に当てられる「神」でも、積立に勝てない

自分の失敗が気になって調べたところ、とても興味深いデータを見つけました。

アメリカの分析ブログ「Of Dollars and Data」が2019年に公開した、Even God Couldn’t Beat Dollar-Cost Averaging(神ですらドルコスト平均法に勝てない)という分析です。

どんな検証なのか

1920年1月から1979年12月までのS&P500(配当込み・インフレ調整後)を使って、40年間の投資期間で2つの戦略を比べたものです。

配当を再投資し、物価上昇の影響も差し引いた「実質のリターン」で計算されているので、実感に近い比較になっています。

戦略の中身
凡人(積立) 毎月決まった額を、何も考えずに買い続ける
神(タイミング投資) 毎月お金を貯めておき、相場の底を完璧に見抜いてそこでまとめて買う

ここでいう「神」は、比喩ではありません。未来を知っていて、どこが底かを100%正確に当てられるという設定です。人間には絶対に不可能な能力です。

結果:神が7割負けます

常識的には、底を完璧に当てられる神が圧勝しそうです。ところが結果は逆でした。

約70%の期間で、淡々と積み立てた凡人のほうが勝ちました。

未来が完全に見えている相手に、何も考えていない人が7割勝つ。初めて読んだとき、正直まさかと思いました。

なぜ神が負けるのか

理由を知って、私は深く納得しました。

底を待っている間、現金は1円も増えないからです。

その間も市場は上がり続けます。神は「底で買う」という一点では完璧ですが、底が来るまでの数か月〜数年、お金を遊ばせていることになります。その待機時間に積立組が積み上げた利益を、底値で買った分だけでは取り返せない——これが7割負ける理由です。

つまり、「安く買えること」より「長く運用できること」のほうが効くということです。

神が勝つ3割は、どんなときか

公平のために、神が勝った約30%についても書いておきます。

神が勝つのは、投資期間の早い時期に大きな暴落が来た場合です。たとえば1928年から始まる期間では、1932年(世界恐慌の底)で買えたため、その後の回復で大きく伸びました。

早い時期に底が来れば、そこで買った分を長く運用できるので、待機時間の損失を取り返せるわけです。

裏を返すと、「いつ大暴落が来るか」まで当てないと勝てないということでもあります。底の値段だけでなく、それが投資期間のどのあたりで訪れるか——そこまで含めて的中させる必要があるのです。

さらに怖い話:2か月ずれると、勝率は3%に落ちます

この分析には、続きがあります。

神の予知能力を少しだけ鈍らせて、買うタイミングが底から2か月ずれる設定にすると、どうなるか。

タイミング投資が勝つ確率は、30%から3%まで落ちます

たった2か月のズレで、勝ち目がほぼ消えるのです。ここが一番大事なところだと思っています。私たちは神ではないので、2か月どころか、そもそも底がどこかも分かりません。

「神でも7割負ける」だけなら「じゃあ3割は勝てるのか」と思うかもしれません。でもその3割は、底をピンポイントで当てられる神だけのものです。少しでも外せば、勝率は3%になってしまいます。

【重要】これは「インデックス投資」に限った話です

ここまでの話には、とても大事な前提があります。S&P500のような、市場全体に幅広く分散された指数に投資する場合の話だということです。

トヨタ株のような個別株には、そのまま当てはまりません。

理由は、両者が根本的に違うものだからです。

S&P500などの指数 個別株
中身 数百社の集合体 1社だけ
1社が倒産したら 指数から外れ、別の会社が入る 価値がゼロになる
長期の傾向 経済成長とともに右肩上がりになりやすい 会社次第。上がるとは限らない

指数の場合、「待っていると上がってしまう」ことが多いのは、市場全体が長期的に成長してきたからです。だから「早く買って長く持つ」が有利になります。

一方、個別株はその1社の業績次第です。長期で見ても下がり続ける会社もありますし、実際に消えていった企業もたくさんあります。「早く買えば有利」という理屈は成り立ちません。

つまり今回のデータは、「タイミングを読むのは難しい」という話であって、「何でも早く買えば得」という話ではないのです。個別株を買うなら、タイミングよりもまずその会社をどう評価するかが問われます。

私自身も高配当株を持っていますが、インデックスとは別のものとして考えています。

私が出した結論:インデックスの長期投資なら、なるべく早く買う

この失敗とデータを経て、私の考えははっきりしました。

インデックスを長期で持つつもりのお金なら、迷っている時間がいちばんもったいない。

「今は高いかも」「円安だから待とう」と考えるのは自然なことですし、私も実際にそうしました。でも、その判断が当たる確率は驚くほど低く、外したときの損失(=運用できたはずの期間)は思ったより大きいのです。

もちろん、これは10年、20年と持ち続ける前提の話です。数年後に使う予定のあるお金や、生活防衛費は、そもそも投資に回すべきではありません。そこは分けて考えています。

今の私のやり方

  • 毎月の積立:相場を見ずに淡々と続ける(これは以前から変えていません)
  • ボーナスなどまとまったお金:「安くなるまで待つ」のはやめて、早めに投入する
  • 株価や為替のニュース:買うかどうかの判断材料にしない

「下がったら買い増そう」という発想自体をやめた、というのが一番の変化です。待つのをやめたら、悩む時間もなくなりました。

なお、まとまったお金を一度に入れるか分けて入れるかについては、一括投資vs積立投資にも書いています。値動きに慣れていないうちは、分けて入れる安心感も大事だと思っています。

このデータの限界も知っておきたい

最後に、正直に書いておきたいことがあります。

今回のデータは1920年から1979年という、100年近く前のアメリカ市場を対象にしたものです。過去にそうだったからといって、これからも同じとは限りません

アメリカ経済がこの100年ほど成長を続けてきたからこの結果になったのであって、今後もそうである保証はどこにもありません。「インデックスなら絶対に上がる」という話ではないのです。

それでも私がこの考え方を採用しているのは、「未来は誰にも読めない」という前提に立ったとき、いちばん無理がないやり方だと思うからです。当てられない未来を当てようとするより、時間を味方につけるほうが現実的だと考えています。

まとめ

項目 内容
私の失敗 手元のボーナスを「安くなってから入れよう」と待つうちに、値上がりしてタイミングを逃した
データの内容 1920〜1979年のS&P500(配当込み・インフレ調整後)で、積立と「底を完璧に当てる神」を40年間比較
結果 約70%で積立が勝利
神が負ける理由 底を待つ間、現金は増えないから(その間も市場は上がる)
神が勝つ3割 投資期間の早い時期に大暴落が来た場合
人間の場合 買うタイミングが底から2か月ずれると、勝つ確率は30%→3%に低下
大事な前提 分散されたインデックスの話。個別株には当てはまらない
私の結論 インデックスを長期で持つお金なら、なるべく早く買う

「安くなったら買おう」は、一見かしこい判断に見えます。でもデータを見ると、その判断で得られるものより、待っている時間で失うもののほうが大きいというのが現実のようです。

ただし繰り返しになりますが、これは市場全体に分散されたインデックスだからこそ成り立つ話です。個別株は会社ごとに事情が違うので、同じようには考えられません。

同じように「今は買いどきじゃない気がする」と迷っている方の、判断材料になれば嬉しいです。

参考にしたデータ

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一緒に少しずつ学んでいきましょう!


てどりん
てどりんひとこと 「下がったら買おう」と待っていた自分に、このデータを見せてあげたいです。待つのをやめたら、悩む時間まで減りました。

※この記事は個人の体験談・感想です。投資には元本割れのリスクがあります。過去のデータは将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。