こんにちは、てどりんです。
NISAを始めようとすると、必ずぶつかるのがこの問題です。
「オルカンとS&P500、どちらを選べばいいの?」
私の答えは、迷っているならオルカンです。人に聞かれたら、私はオルカンを勧めます。
ところが、私自身はS&P500を毎月10万円積み立てています。
自分はS&P500、人にはオルカン。この記事では、2つのファンドの8年分の成績を年ごとに並べたうえで、なぜこういう選び方になるのかを書きます。
オルカンとS&P500の違い
| 項目 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 投資先 | 日本を含む47の国・地域 | アメリカの大企業 |
| 銘柄数 | 2,409銘柄 | 503銘柄 |
| アメリカの比率 | 62.8% | 100% |
| 信託報酬(年) | 0.05775% | 0.08140% |
※オルカンは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、S&P500は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。国・地域の数は交付目論見書(2026年7月25日)の2026年3月末時点、銘柄数とアメリカの比率は月報の2026年8月末時点、信託報酬は交付目論見書の数字です。
一言で言うと、オルカンは世界に分散、S&P500はアメリカに集中する投資信託です。
ただ、表を見て気づくことがあります。オルカンの6割以上はアメリカです。月報に載っている組入上位10銘柄も、オルカンとS&P500の両方とも全部アメリカ企業でした(NVIDIA、Apple、Microsoft、Amazon……)。
信託報酬はオルカンのほうが安く見えますが、目論見書に載らない「隠れコスト」まで足すと、順位が入れ替わります。詳しくはオルカンとS&P500の実質コスト比較に書きました。差は100万円あたり年40円ほどで、どちらも十分安いです。
8年間の成績を年ごとに並べると
オルカンが始まった2018年10月末から、2026年10月2日までの成績を、運用会社が公開している基準価額から計算しました。
| 年 | S&P500 | オルカン |
|---|---|---|
| 2019年 | +30.5% | +26.8% |
| 2020年 | +10.3% | +9.0% |
| 2021年 | +44.5% | +32.7% |
| 2022年 | −6.1% | −5.6% |
| 2023年 | +34.6% | +30.4% |
| 2024年 | +40.8% | +32.5% |
| 2025年 | +15.7% | +20.5% |
| 2026年(10/2まで) | +13.0% | +13.4% |
| 8年の合計 | +341% | +278% |
太字が、その年に成績がよかったほうです。円建て・信託報酬を引いたあとの数字です。
この8年に限れば、S&P500の5勝3敗です。差がついたのは2021年と2024年で、アメリカの大型株が大きく伸びた年でした。
毎月1万円ずつ積み立てた場合で比べると、こうなります。
| S&P500 | オルカン | |
|---|---|---|
| 積み立てた金額 | 96万円 | 96万円 |
| 2026年10月2日の評価額 | 約239万円 | 約221万円 |
2018年11月から毎月1回、月初に1万円ずつ買ったとして計算。税金は考えていません。
8年で約18万円の差です。小さくはありませんが、どちらも元本の2倍以上になっています。
動きは、ほとんど同じ
成績には差がありますが、値動きの向きはほぼ同じです。
この8年(96か月)のうち、2つのファンドが同じ方向に動いた月は91か月ありました。片方が上がった月はもう片方も上がり、片方が下がった月はもう片方も下がっています。
理由は単純で、オルカンの6割以上がアメリカだからです。全世界に投資していても、値動きはアメリカに引っ張られます。
下がるときも、ほぼ同じだけ下がる
ここが、私がいちばん伝えたいところです。
この8年でいちばん大きく下がったのは、2020年のコロナショックでした。
| 最高値から底まで | |
|---|---|
| S&P500 | −34.4% |
| オルカン | −33.8% |
どちらも2020年2月21日→3月24日。基準価額から計算。
差は0.6ポイントしかありません。2022年の下落も、オルカンの下げ幅が少し小さかった程度です。
「オルカンは分散しているから、暴落しても下がりにくい」と思っている方は多いと思います。でも実際の数字を見ると、オルカンも暴落のときはS&P500とほぼ同じだけ下がります。
ただし、この8年はアメリカが強すぎた時期
ここまで見ると「じゃあS&P500でいいのでは」と思うかもしれません。
ただ、上の数字は2018年から2026年の8年間だけの話です。この時期は、アメリカの大型テック企業が世界でいちばん伸びた時期でした。
もっと前を見ると、違う時代があります。
S&P500は、2000年から2009年までの10年間、配当を含めても−9.1%でした(ドル建て)。ITバブル崩壊とリーマンショックが重なって、10年間積み立てても報われなかった時代です。
実際、直近の2025年はオルカンのほうが成績がよく、アメリカ以外の国が伸びた年でした。アメリカがいつまでも一番だという保証はありません。
私がS&P500を選んでいる理由
それでも私がS&P500を選んでいるのは、世界の新しい産業はアメリカに集まると考えているからです。
AI、半導体、クラウド、バイオ。新しい産業で大きくなった企業の多くはアメリカの市場に上場し、世界中の人材とお金がそこに集まっています。この構造が続く限り、S&P500は世界の成長を取り込み続けると思っています。
株式市場の成長は、ごく一部の大成功した企業がほとんどを生み出しています(インデックスの「平均」は平均ではないに書きました)。その大成功する企業がアメリカから出続けるか。私はそこに賭けています。
ただしこれは、私がかなり調べて、2000年代のような10年が来ても売らないと決めたうえでの選択です。
人にはオルカンを勧める理由
下がる幅は同じ。リターンはこの8年ならS&P500が上。それでも人にオルカンを勧めるのは、「自分の選択を疑わずに済む」からです。
暴落はどちらにも来ます。そのときS&P500だけを持っている人は、値下がりに加えてもう1つの不安を抱えます。
「アメリカだけに集中したのが間違いだったのでは?」
2000年代のように、アメリカだけが10年間伸びない時代が来たら、この不安はかなり強くなるはずです。私もS&P500を選ぶと決めるまでに、時間をかけて調べました。
オルカンには、この不安がありません。オルカンは国ごとの比率を、その時々の市場の大きさに合わせて自動で入れ替えます。アメリカが弱くなればアメリカの比率が下がり、ほかの国が伸びればその国の比率が上がります。どの国に賭けるかを、自分で決めなくていいのです。
投資で一番やってはいけないのは、不安になって暴落のときに売ることです。下がる幅がほぼ同じなら、迷わずに持ち続けられるほうを選んだほうがいい。人に勧めるとき、私がオルカンを選ぶのはそのためです。暴落のときの準備は暴落が来ても売らない心構えに、自分がどこまで耐えられるかはリスク許容度は、下がってみないと分からないにまとめています。
結局、どちらを選べばいいか
| こんな人 | 向いているほう |
|---|---|
| どちらにするか迷っている | オルカン |
| どの国が伸びるかを考えたくない | オルカン |
| アメリカに賭ける理由を自分の言葉で説明できる | S&P500 |
| アメリカが10年伸びなくても売らないと決めている | S&P500 |
どちらを選んでも、世界最安クラスのコストで、アメリカを中心とした世界の株に投資できます。8年で差がついたとはいえ、どちらも元本の2倍以上です。
どちらを選ぶかより、選んだあとに売らずに積み立て続けられるかのほうが、はるかに大事です。迷っているならオルカン。迷っていないなら、どちらでも正解です。
まとめ
- オルカンの6割以上はアメリカ。上位10銘柄はどちらも全部アメリカ企業
- 2018年10月末からの8年では、S&P500が+341%、オルカンが+278%。S&P500の5勝3敗
- 96か月のうち91か月は同じ方向に動き、コロナショックの下げ幅も−34.4%と−33.8%でほぼ同じ
- ただし2000年からの10年間、S&P500は配当込みでも−9.1%。アメリカがずっと一番とは限らない
- 人にはオルカンを勧める。下がる幅は同じでも、自分の選択を疑わずに済むから
※ 公式サイトへのリンクです
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一緒に少しずつ学んでいきましょう!
出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の交付目論見書(2026年7月25日)、交付運用報告書(第8期・2026年4月27日決算)、月報(2026年8月末時点)、基準価額(分配金再投資)、Aswath Damodaran「Historical Returns on Stocks, Bonds and Bills」(ニューヨーク大学、S&P500配当込みの年次リターン)。8年間の成績・積立シミュレーション・下落幅は、基準価額をもとに筆者が計算しました。
※この記事は個人の体験談・感想です。過去の成績は将来の成績を約束するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。