こんにちは、てどりんです。

毎年、誕生月になると「ねんきん定期便」というハガキが届きます。

開けてみて、書かれている年金額に「思ったより少ない」と感じた方は多いと思います。

でも、その心配はいりません。

50歳未満の人に届くねんきん定期便には、「将来もらえる年金額」は書かれていないからです。 今までの実績だけの金額なので、少なく見えて当然なのです。

ここを知らないまま見ると、必要のない不安を抱えることになります。

この記事では、ハガキのどこを見ればいいのかを3か所に絞って、公式資料をもとに説明します。あわせて、マイナンバーカードでいつでも確認する方法もまとめました。

そもそも、いつ・どんな形で届くのか

ねんきん定期便は、毎年の誕生月に届きます。国民年金・厚生年金に加入している人が対象なので、会社員なら基本的に全員に届きます。

形式は年齢で変わります。

年齢 形式 月別の記録
35歳・45歳・59歳 封書 全期間
それ以外 ハガキ 直近13か月

35歳・45歳・59歳の3回だけは封書で、これまでの全期間の記録が載ります。ここは記録の抜けを確認する数少ないチャンスなので、この3回は必ず開けてください。

【最重要】50歳未満の「年金額」は、将来の見込額ではありません

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

50歳未満のハガキに大きく書かれているのは、「これまでの加入実績に応じた年金額」という項目です。

日本年金機構の説明はこうなっています。

「ねんきん定期便」の作成時点の年金加入実績に応じて計算した年金額(年額)を表示しています

つまり、今日までに納めた分だけで計算した金額です。

明日以降も働いて納め続ける分は、1円も入っていません。

30代で見ると、当然すごく少なく見えます

考えてみれば当たり前で、30代半ばなら加入期間はまだ15年ほど。65歳までの残り30年分がまるごと抜けている金額を見ているわけです。

少なくて当然なのですが、そうとは書いていないので「これが将来の年金か」と受け取ってしまいます。

本当の目安は、ハガキの図のほうに書いてあります

ハガキの表面には棒グラフのような図があって、そこに「今後の加入状況に応じた年金額(65歳時点)」という欄があります。

目安として見るべきは、こちらです。

意味
これまでの加入実績に応じた年金額(昨年) 去年の時点の実績だけの額
これまでの加入実績に応じた年金額(今年) 今の時点の実績だけの額
今後の加入状況に応じた年金額(65歳時点) これが目安の金額
75歳まで遅らせた場合 最大84%増

なお50歳以上になると、この扱いが変わります。 50歳以上のハガキは「今の条件で60歳まで働き続けたと仮定した見込額」が表示されるので、より現実に近い数字になります。

50歳未満=実績だけ。50歳以上=見込み。

この違いさえ押さえておけば、もう焦りません。

見るのは、この3か所だけで十分です

ハガキには細かい数字がびっしり並んでいますが、毎年チェックするのは3か所で足ります。

① 「これまでの加入実績に応じた年金額」が去年より増えているか

ハガキには昨年の金額と今年の金額が並べて書いてあります。

保険料を納めていれば、必ず増えます。増えていればそれで正常、というだけの確認です。

逆に増えていない、あるいは減っている場合は、記録の訂正や給付水準の変動が起きている可能性があるので、そのときだけ問い合わせを考えれば十分です。

② 「これまでの年金加入期間」が積み上がっているか

老齢年金を受け取るには、原則として120か月(10年)以上の受給資格期間が必要です。ハガキにもこの但し書きが印刷されています。

会社員としてずっと働いていれば自然に超えていく数字ですが、学生時代に国民年金を払っていなかった期間や、転職の合間に手続きが抜けた期間があると、ここに影響します。

③ 「最近の月別状況」に、抜けや誤りがないか

直近13か月分の記録が並んでいます。ここで見るのは1点だけです。

自分が働いていた月が、きちんと埋まっているか。

転職した月、休職した月など、イレギュラーがあった月は特に確認する価値があります。

なお、納付の情報が反映されるまで最大3週間程度かかることがあると公式に注記されています。直近の月が空欄でも、すぐに慌てる必要はありません。

ここに「標準報酬月額」が載っています

これは、給与明細の話を書いてきた身として強調しておきたい点です。

月別状況の表には、その月の標準報酬月額が載っています。

以前、標準報酬月額の調べ方という記事で、給与明細の厚生年金保険料から逆算する方法を書きました。ねんきん定期便があれば、その計算をしなくても直接わかります。

標準報酬月額は、社会保険料が4〜6月の給料で決まるという話の中心にある数字です。9月から手取りが変わる理由も、これを見れば納得できます。

記載されている厚生年金保険料は本人負担分だけなので、給与明細の控除欄の金額とそのまま突き合わせて確認できます。

ねんきん定期便は、年金の書類であると同時に、自分の給与データの記録でもあります。

二次元コードから、その場で試算できます

ハガキには二次元コードが印刷されています。

これを読み取ると、厚生労働省が提供している「公的年金シミュレーター」nenkin-shisan.mhlw.go.jp)に自分の年金情報が引き継がれ、年金見込額の簡易試算ができます。

  • 何歳まで働くか
  • 受給開始を何歳にするか

こうした条件を変えながら試せるので、ハガキの数字より、こちらのほうが実感がわきます。 ログインも登録も不要です。

マイナンバーカードがあれば、いつでも見られます

「ハガキをなくした」「毎年待つのが面倒」という人は、ねんきんネットを使うのが早いです。

登録方法は2つあります。

方法 必要なもの ユーザーID
マイナポータル経由 マイナンバーカードとメールアドレス 不要
ねんきんネットに直接登録 基礎年金番号とメールアドレス 必要

マイナンバーカードを持っているなら、断然こちらです。 マイナポータルにログインして「年金」から連携するだけで、ユーザーIDを取る手間がありません。

さらに、マイナポータル側で手続きをすると電子版のねんきん定期便がマイナポータルのお知らせに届きます(公式によると、ボタンを押してから5分程度)。

アクセスキーを使う場合は、期限に注意

直接登録する場合、ハガキに17桁の「お客様のアクセスキー」が印刷されていて、これを使うと即時にユーザーIDが発行されます。

ただし有効期限があります。 令和8年度のハガキには「データ作成日から5か月後の月末まで」と明記されています。

期限が切れていても登録はできますが、ユーザーIDが郵送になり、通常5営業日程度かかります。届いたらすぐ登録するのが結局いちばん早いです。

受給開始は60歳から75歳まで選べます

ハガキにも明記されていますが、年金の受給開始時期は60歳から75歳の間で選べます。

遅らせるほど金額は増えます。

受給開始 65歳と比べて
70歳 42%増
75歳 84%増(最大)

数字だけ見ると「遅らせたほうが得」に見えます。

ただしこれは長生きした場合の話であり、受け取らないまま亡くなればもらえません。また、65歳以降も厚生年金に加入して働いていると、給与の額によっては年金の一部が止まる(在職支給停止)ため、増額の計算対象が変わります。

「増やせる選択肢がある」と知っておくだけで十分で、実際に決めるのは60歳が近づいてからで間に合います。

ただし、その金額がそのままもらえるわけでもありません

ここまでは「思ったより少なくないので安心してください」という話でした。

ただ、公平のために書いておきます。

ねんきん定期便には、載っていないこともあります。

  • 保険料の欄に、会社が払っている分は入っていない(実際はおよそ2倍納められています)
  • 年金は積み立てではなく、「仕送り」の仕組みである
  • 将来、給付水準は下がる見通しになっている

つまり必要以上に落ち込むこともないし、書かれた数字を鵜呑みにもできない——これが正確なところです。

このあたりは厚生労働省の公式データを追う必要があるので、別記事にまとめました。

👉 厚生年金は払った分だけ戻る?|定期便に載らない会社負担と目減り

まとめ

覚えておくこと
届く時期 毎年の誕生月
封書になるのは 35歳・45歳・59歳(全期間の記録が載る)
50歳未満の年金額 今までの実績だけ。将来の見込額ではない
50歳以上の年金額 60歳まで今の条件で続けた場合の見込額
見るのは ①去年より増えたか ②加入期間 ③月別の抜け
受給資格 原則120か月(10年)以上
便利な機能 二次元コードで試算/マイナンバーカードでいつでも確認

一番大事なのは、これだけです。

50歳未満の「年金額」を見て落ち込む必要はありません。あれは途中経過です。ただし、そのまま将来もらえる金額でもありません。

そのうえで、土台だけでは足りないとわかったなら、やることは変わりません。少額でもいいので、自分の上乗せを始めることです。

関連記事:

土台の金額がわかったら、あとは上乗せを自動化するだけです。クレカ積立なら毎月勝手に買われます。

一緒に少しずつ学んでいきましょう!


てどりん
てどりんひとこと 年に1回の健康診断のようなもので、見るところを絞れば5分で終わります。金額の少なさより、加入期間と月別の抜けを見ておくほうが大事です。誕生月に届いたら開けてみてください。

※この記事は公開情報をもとにした解説です。ねんきん定期便の様式や制度の詳細は変更される場合があります。最新情報は日本年金機構の公式ページでご確認ください。個別の年金額や手続きについては、年金事務所にお問い合わせください。