こんにちは、てどりんです。

「奨学金という借金が残っているのに、投資なんて始めていいんだろうか?」

社会人になってNISAが気になり始めた人が、最初にぶつかる悩みだと思います。「借金があるなら、まず完済してから投資でしょ」という声も聞こえてきそうです。

先に私の結論を言うと——条件さえ満たせば、返しながら始めて大丈夫です。

実を言うと、私がNISAを始めたとき、奨学金を「借金」だとはほとんど意識していませんでした。毎月約1.5万円の返済は淡々と続けつつ、特に気にせず積立を始めたんです。迷いが生まれたのはむしろ何年も後——お金の勉強を続けて資産が育ち、「奨学金を一括返済できる余裕」ができたときでした。最終的には投資で貯まった資産で奨学金を一括返済しています。

つまり私は「返済と投資の両立」を数年間やってみた上で、最後は完済も経験しています。この記事では、その体験をもとに返済と投資の優先順位と判断基準を紹介します。

「完済してから投資」だと何年も出遅れる

奨学金の返済期間は、多くの場合15〜20年です。

もし「完済してから投資デビュー」と決めてしまうと、20代・30代の一番複利が効く時期をまるごと逃すことになります。r>gの記事で書いたとおり、投資は期間が長いほど有利です。同じ月1万円の積立でも、始めるのが10年遅れると最終的な資産に数百万円の差がつくこともあります。

一方で、「借金を返さず投資に全額突っ込む」のも危険です。大事なのは順番です。

私が考える優先順位(この順で確認)

ステップ①:毎月の返済を滞りなく払えているか

大前提です。奨学金の返済を延滞すると延滞金がつき、延滞が長引くと(目安として3ヶ月以上)信用情報機関に登録されて、将来の住宅ローンやクレジットカードの審査に影響します。投資どころではありません。

もし返済自体が苦しいなら、投資ではなくJASSO(日本学生支援機構)の減額返還制度・返還期限猶予制度を調べるのが先です。月々の返済額を減らしたり、一時的に止めたりできる公的な制度があります。

ステップ②:生活防衛費が貯まっているか

病気や失業のときに生活を守る現金です。これがないまま投資を始めると、急な出費のたびに投資信託を売る羽目になります。目安は生活防衛費の記事で解説しています。

ステップ③:奨学金より高い金利の借金がないか

リボ払いやカードローン(年15〜18%程度)が残っているなら、話は別です。投資の期待リターンをはるかに超える金利なので、投資を始める前にリボ払い・カードローンを完済するのが絶対にお得です。

ステップ④:ここまでクリアなら、少額からNISAを始めてOK

奨学金の利率は、第一種なら無利子、第二種でも上限が年3%と法律で決まっています。実際の利率は借りた時期によって変わりますが、低金利の時期に借りた人なら年1%を下回っているケースが多いです(自分の利率はスカラネット・パーソナルで確認できます)。

株式インデックス投資の長期平均リターンは年5〜7%程度とされています。利率1%以下の借金を急いで返すより、投資と並行する方が、数字の上では有利になる可能性が高いわけです。

数字で見る:「繰り上げ返済」と「並行」を同じ条件で比べる

比べるなら、同じ金額を使う前提でないとフェアではありません。そこで、毎月使えるお金を同じ2.5万円にそろえて、余裕分1万円の使い道だけを変えた2つのプランを比較してみます。

前提:奨学金残高150万円・利率年1%・通常返済は月1.5万円。投資は年5%で運用できたとします。

  • 繰り上げ返済プラン:月2.5万円を全額返済に回し、完済後は月2.5万円を積立
  • 並行プラン:月1.5万円を返済+月1万円を積立、完済後は月2.5万円を積立
繰り上げ返済プラン 並行プラン
完済までの期間 約5年2ヶ月 約8年9ヶ月
支払う利息の総額 約4万円 約7万円
10年後の投資資産 約165万円 約179万円

並行プランは利息を約3万円多く払いますが、早くから複利で運用できる分、10年後の資産は約14万円多い結果になりました。利率1%の借金を急いで返すより、5%で増える場所にお金を置く方が有利——という理屈が数字でも確認できます。

ただし、正直な注意点もあります。

  • 投資のリターンは保証されません。マイナスの年も普通にあります(年5%はあくまで長期平均の目安です)
  • 一方、繰り上げ返済による利息の節約は確実です
  • 奨学金の利率が高いほど差は縮まります。利率が3%に近いなら、繰り上げ返済プランの魅力が増します

「確実な小さい得」を取るか、「不確実だが大きい得」を狙うか。数字だけでは決められない部分が残ります。そこで大事になるのが、次の話です。

数字より大事な「借金ストレス」の話

私は数年間、返済と積立を並行していました。奨学金の低い利率と投資のリターンの差(いわゆる利ざや)は取れていて、数字の上ではうまく回っていました。

それでも、家計管理を続けるうちに、じわじわとこんな気持ちが湧いてきたんです。

  • 毎月出ていく返済分を、そのまま積立額に変えたい
  • 奨学金の返済用に残している銀行口座を処分して、口座を集約したい口座をまとめた話はこちら)
  • そして何より、いつの間にか借金が背中に重くのしかかっている感覚が生まれていた

だから、資産が奨学金の残高を超えたとき、特定口座の分を売却して一括返済しました。投資を続ける方が「得」だったかもしれませんが、返し終えたときは本当に解放された気持ちになりました。このあたりの葛藤は一括返済の体験談に詳しく書いています。

ここで伝えたいのは、並行していたからこそ、選択肢を持てたということです。

もし投資をせずに繰り上げ返済だけしていたら、完済時の資産はゼロからのスタートでした。並行していたおかげで、「続けてもいい、返してもいい」という状態になり、自分の気持ちで選べたんです。

逆に、借金があると気になって夜も落ち着かないタイプの方は、返済優先で構いません。お金の判断は数字だけではなく、投資が怖いという感覚と同じで、自分の性格も含めて決めていいと思います。

判断基準まとめ

あなたの状況 おすすめの優先順位
返済を延滞しそう 投資はまだ。JASSOの減額返還制度を確認
生活防衛費がない まず現金を貯める
リボ払い・カードローンがある 高金利の借金の完済が先
第一種(無利子) 急いで返す理由なし。投資と並行でOK
第二種・利率1%以下 少額からNISAと並行でOK
第二種・利率が高め 繰り上げ返済の優先度を上げる
借金のストレスが強い 返済優先でOK。心の余裕も立派な判断基準

始めるなら「月数千円」からでいい

並行を決めたら、いきなり大きな金額で始める必要はありません。

私の積立額は、最初は月数千円でした。そこから家計管理で生活費を削り、浮いた分を積立に上乗せしていく形で、月1万円→月3万円と段階的に増やしていきました。「収入を増やす」より先に「削った固定費を積立に変える」方が、すぐできて確実です。

NISAは月100円から積立できるので、まずは返済に影響しない金額で「値動きに慣れる」ところから始めれば十分です。積立額の目安は年齢別シミュレーションの記事にまとめています。

そして返済が終わったら、毎月の返済額をそのまま積立に上乗せする。私はこの方法で、完済後に投資額をさらに一段階増やせました。

まとめ

  • 「完済してから投資」だと、複利が一番効く時期を逃してしまう
  • 順番はこれ:延滞しない → 生活防衛費 → 高金利の借金完済 → 少額からNISA並行
  • 奨学金の利率(低金利期なら年1%以下が多い)より投資の期待リターン(年5〜7%程度)が高いため、並行は数字の上で合理的
  • ただしリターンは不確実。借金ストレスが強いなら返済優先でいい
  • 並行しておくと「続ける・一括返済する」の選択肢を将来持てる(私は一括返済を選びました)

奨学金を返しながらでも、資産形成は始められます。私と同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

NISA口座はネット証券なら無料で開設でき、月100円から積立できます。

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てどりん
てどりんひとこと 始めた頃は、奨学金を「借金」だと意識すらしていませんでした(笑)。それくらいの気楽さで月数千円から始めて大丈夫。重く感じ始めたら、そのとき返し方を考えればいいんです。

※この記事は個人の体験談・感想です。投資には元本割れのリスクがあります。奨学金の利率・制度の詳細は日本学生支援機構(JASSO)の公式情報をご確認ください。投資判断はご自身の責任でお願いします。