こんにちは、てどりんです。

会社に企業型DC(確定拠出年金)がある方なら、一度は迷うのが「会社のDCに多く入れるか、iDeCoを始めるか」です。

私も同じことで悩みました。2022年10月から、企業型DCに入っている人もiDeCoを使いやすくなり、どちらが得なのかをかなり調べました。

私が選んだのは、会社の企業型DC(選択制)で毎月5万円を積み立てるほうです。いちばんの理由は、社会保険料まで下がるからです。

さらに2026年12月からは、企業型DCとiDeCoが月6.2万円の同じ枠を分け合うルールに変わります。この記事では、2つの違いと私が選択制DCを選んだ理由、それに12月からの変更をまとめます。


まず確認:会社の企業型DCはどのタイプ?

会社の企業型DCで自分も掛金を出す仕組みには、大きく2種類あります。ここを取り違えると、節税の効果を勘違いします。

選択制DC マッチング拠出
仕組み 給料の一部を手当として分け、それをDCに回すか、給料で受け取るかを選ぶ 会社の掛金に、自分の掛金を上乗せする
法律上の扱い 会社の掛金 自分の掛金
社会保険料 下がる 下がらない
所得税・住民税 下がる 下がる

社会保険料が下がるのは選択制DCだけです。選択制DCでDCに回したお金は「会社の掛金」として出されるので、給料に含まれず、社会保険料の計算からも外れます。

自分の会社がどちらなのかは、入社時の資料かDCの加入者サイトで確認できます。


私の会社の場合(選択制DC)

私の会社では、給料が「本給」と「生涯設計手当」に分かれています。

たとえば月の給料が25万円の場合:

  • 本給:20万円
  • 生涯設計手当:5万円(ここまでDCに回せる)

生涯設計手当のうちDCに回した分は、給料として扱われません。所得税も社会保険料も、本給の20万円だけをもとに計算されます。

私は毎月5万円を回しているので、社会保険料のもとになる標準報酬月額が下がり、健康保険料と厚生年金保険料が下がっています。


iDeCoとは

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で口座を開いて、自分のお金で積み立てる年金の制度です。掛金は全額が所得から差し引かれ、運用で増えた分にも税金がかかりません。

ただし、iDeCoの掛金は手取りの給料から払うので、社会保険料は下がりません。

会社員がiDeCoに掛けられる上限は、2026年12月分から変わります。

会社員の状況 2026年11月分まで 2026年12月分から
会社に年金制度がない 月2.3万円 月6.2万円
企業型DCがある 月2万円(会社の掛金との合計5.5万円まで) 6.2万円から会社の掛金を引いた額

出典:厚生労働省「企業型DCを実施する事業主・従業員の皆さまへ 2026年12月から企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!」。会社に確定給付企業年金(DB)もある場合は、その掛金相当額も引きます。

iDeCoの始め方や手数料、受け取るときの税金は、iDeCoの始め方にまとめました。


選択制DCとiDeCoの比較

選択制DC(私の場合) iDeCo
所得税・住民税 下がる 下がる
社会保険料 下がる 下がらない
上限(2026年11月分まで) 会社の規約しだい(法律の上限は5.5万円)。私は月5万円 月2万円
上限(2026年12月分から) 会社の規約しだい(法律の上限は6.2万円) 6.2万円から会社の掛金を引いた額
口座の手数料 自分の負担なし 月約171円(2027年1月から約186円)

iDeCoの手数料は、国民年金基金連合会の手数料が2027年1月から「1回105円」→「月120円」に変わるためです。


選択制DCを選んだ理由

① 社会保険料まで下がる

同じ5万円を積み立てても、選択制DCなら所得税・住民税に加えて社会保険料も下がります。iDeCoだと下がるのは所得税・住民税だけです。社会保険料がどう決まるかは社会保険料は4〜6月の給料で決まるに書きました。

② 多く積み立てられた

私が決めた当時、企業型DCがある会社員のiDeCoの上限は月2万円でした。私の会社の選択制DCなら月5万円まで回せたので、非課税で積み立てられる金額が2.5倍でした。

12月からは「同じ枠のどちらに入れるか」の話になる

2026年12月からは、企業型DCとiDeCoが月6.2万円の枠を分け合います。上限の差はなくなり、同じ枠を、社会保険料まで下がる選択制DCとiDeCoのどちらで埋めるかという話になります。そう考えると、選択制DCを先に埋めるほうが有利だという結論は変わりません。

ただし、法律の上限が6.2万円に上がっても、会社の選択制DCで回せる額がそのまま増えるとは限りません。上限を上げるには会社の規約を変える必要があるからです。私の会社の生涯設計手当も、今のところ5万円が上限です。


選択制DCとiDeCoは併用できる

あまり知られていませんが、選択制DCとiDeCoは一緒に使えます。選択制DCで回したお金は「会社の掛金」なので、その残りの枠でiDeCoができます。

厚生労働省の資料によると、企業型DCに入っている人がiDeCoを使う条件は次のとおりです(2026年12月から)。

  • 会社の掛金が6.2万円以内で、毎月出されている
  • iDeCoの掛金が「6.2万円 − 会社の掛金」以内で、毎月出す
  • マッチング拠出を使っていない

たとえば選択制DCで月5万円を回している人なら、12月からはiDeCoで月1.2万円まで上乗せできる計算です。

ただ、iDeCoは社会保険料が下がらず、口座の手数料もかかります。会社が選択制DCの上限を上げてくれるなら、そちらを増やすほうが得です。併用を考える場合は、まず会社のDCの上限が変わる予定があるかを確認するのがおすすめです。

逆に、マッチング拠出を使っている人はiDeCoと同時には使えません。どちらか一方を選ぶことになります。


選択制DCのデメリットも知っておく

社会保険料が下がるということは、社会保険料をもとに決まる給付も下がるということです。

  • 将来の厚生年金が減る(標準報酬月額が下がるため)
  • 傷病手当金・出産手当金が減る(標準報酬月額をもとに計算されるため)
  • 雇用保険の給付が下がることがある

厚生労働省も、選択制DCを導入する会社には「社会保険・雇用保険等の給付額にも影響する可能性」を従業員に正確に説明するよう求めています。

厚生年金のうち給料に比例する部分は、「平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数」で計算されます(2003年4月以降の加入期間)。標準報酬月額が5万円下がると、1年加入するごとに将来の厚生年金が年約3,300円減る計算です。30年続ければ、年約10万円になります(賃金や物価による見直しを除いた概算)。

年金額が給料をもとに決まる仕組みは厚生年金は払った分だけ戻る?に書きました。

それでも私が選択制DCを選んだのは、減る年金より、浮いた保険料を運用して増える分のほうが大きいと考えたからです。

厚生年金保険料は給料の18.3%で、本人の負担はその半分の9.15%です。標準報酬月額が5万円下がると、本人の厚生年金保険料は月約4,600円、年約5.5万円浮きます。

標準報酬月額が5万円下がった1年分 金額
浮く厚生年金保険料(本人負担) 約5.5万円(その年に浮く)
減る将来の厚生年金 年約3,300円(受け取り始めてから毎年)

年約3,300円の減額は、約17年受け取ってやっと5.5万円に届きます。一方、浮いた5.5万円を年5%で30年運用できれば、約24万円になります。しかも下がるのは厚生年金保険料だけでなく、健康保険料もです。

運用の結果は約束されたものではなく、元本割れすることもあります。

ただし、傷病手当金や出産手当金が減るのは、運用では取り戻しにくいデメリットです。長く休む可能性が高い人や、出産を控えている人は、そこも含めて考えてください。どちらが得かは、人によって変わります。


iDeCoが向いている人

こんな人 考え方
会社に年金制度がない iDeCo一択。12月から月6.2万円まで
会社の企業型DCがマッチング拠出だけ マッチング拠出かiDeCoのどちらか。商品の良いほうを選ぶ
会社のDCの商品が手数料の高いものばかり iDeCoで安いインデックスファンドを選ぶ価値がある
会社に選択制DCがある まず選択制DC。枠が余ればiDeCoを上乗せ

商品選びはどちらも同じ考え方

選択制DCでもiDeCoでも、商品の選び方は同じです。

  • S&P500かオルカン(全世界株式)のインデックスファンド
  • その中で信託報酬(手数料)が一番安いもの
  • 1本に集中する

私は企業型DCで「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」を選んでいます。途中からオルカンも選べるようになりましたが、引き続きS&P500一本です。どちらにするか迷ったらオルカンとS&P500の比較も参考にしてください。


まとめ

  • 会社の企業型DCが選択制DCなら、所得税・住民税に加えて社会保険料まで下がる。マッチング拠出とiDeCoでは社会保険料は下がらない
  • 選択制DCで回したお金は「会社の掛金」。そのぶん将来の厚生年金や傷病手当金は減る
  • 2026年12月分から、企業型DCとiDeCoは月6.2万円の枠を分け合う。会社に年金制度がない会社員のiDeCoは月2.3万円→6.2万円
  • 選択制DCとiDeCoは併用できる。選択制DCで月5万円なら、12月からiDeCoは月1.2万円まで
  • 法律の上限が上がっても、会社の選択制DCで回せる額が増えるかは会社の規約しだい
  • 同じ枠を埋めるなら、社会保険料まで下がる選択制DCが先
▶ 楽天証券のiDeCoはこちら(公式サイト)

※ 公式サイトへのリンクです

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てどりん
てどりんひとこと 選択制DCは社会保険料まで下がるのが大きかったです。12月からはiDeCoと同じ枠を分け合うので、「どちらを先に埋めるか」で考えると分かりやすいと思います。将来の年金にも影響するので、メリットとデメリットの両方を見て判断してみてください。

出典:厚生労働省「企業型DCを実施する事業主・従業員の皆さまへ 2026年12月から企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!」「2025年の制度改正」日本年金機構「報酬比例部分」、厚生労働省「第38回社会保障審議会企業年金・個人年金部会 資料1」(いわゆる選択制DC・選択制DBについて)、国民年金基金連合会「iDeCoの拠出限度額の見直しに伴うiDeCo掛金額変更について」、松井証券「国民年金基金連合会の手数料改定について」

※この記事は個人の体験談・感想です。制度の内容は会社の規約によって異なります。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。