こんにちは、てどりんです。
2026年10月1日(木)、「こどもNISA」の口座開設の受付が始まりました。
先に私に子どもはいません。 30代の独身です。
それでも書くのは、「子どものために早く始めましょう」という記事ばかりで、「そもそも必要か」を数字で考えた記事が見当たらなかったからです。
制度を調べて出た結論は、こうです。
多くの家庭には、こどもNISAは必要ありません。 ただし、はっきり向いている家庭が2つあります。
1. こどもNISAとは
金融庁の資料で確認した内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 0〜17歳 |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 投資できるもの | つみたて投資枠と同じ投資信託 |
| 払出し | 12歳以降、子の同意があれば可 |
| 18歳になったら | 自動的に大人のつみたて投資枠へ移行 |
出典:金融庁「令和8年度税制改正について」2025年12月
スケジュール
| いつ | 何が |
|---|---|
| 2026年10月1日(木) | 口座開設の受付開始(楽天証券・SBI証券など)← 受付中 |
| 2027年1月 | 制度スタート。口座が実際に開く |
出典:楽天証券「【こどもNISA】10月1日(木)より口座開設受付開始!」2026年9月11日/SBIホールディングスのニュースリリース
いま受け付けているのは「予約」で、実際に買えるのは2027年1月からです。
2. その前に、夫婦の枠は使い切っていますか
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
大人のNISAには、1人あたり1,800万円の非課税枠があります。 夫婦なら2人分です。
| 非課税で持てる金額 | |
|---|---|
| 夫 | 1,800万円 |
| 妻 | 1,800万円 |
| 夫婦の合計 | 3,600万円 |
| こどもNISA(子1人) | 600万円 |
こどもNISAは、夫婦の枠の6分の1です。
そして大事なのは、枠は「埋めなければ意味がない」ということです。夫婦の3,600万円がまだ空いているのに、子どもの600万円を先に使う理由がありません。
3,600万円を埋めるには
年間の上限は1人360万円なので、夫婦で年720万円。最短5年で埋まります。
ただし年720万円を投資に回せる家庭は、かなり限られます。 手取りから生活費を引いて、それだけ残る必要があるからです。
多くの家庭は、夫婦の枠さえ埋まりません。 その状態でこどもNISAを開いても、非課税の枠が余っているのに、別の枠を増やしているだけになります。
まず夫婦の枠。これが順番です。
3. 向いている人①:夫婦の枠を埋められる家庭
逆に言えば、夫婦で3,600万円を使い切る見込みがある家庭には、はっきりメリットがあります。
非課税で運用できる金額が、3,600万円 → 4,200万円(子1人)に増えるからです。子どもが2人なら4,800万円です。
この場合、こどもNISAは「枠が足りないから増やす」という使い方になります。これは理にかなっています。
判断のしかた
いま夫婦で年いくら投資しているかを見てください。
| 年間の投資額 | 3,600万円を埋めるまで |
|---|---|
| 720万円(上限) | 5年 |
| 360万円 | 10年 |
| 120万円(月10万円) | 30年 |
| 60万円(月5万円) | 60年 |
月5万円なら60年かかります。 この場合、こどもNISAを開く前に、夫婦の枠を埋めることを考えるほうが先です。
4. 向いている人②:金融教育に使いたい家庭
もうひとつ、お金を増やす目的ではない使い方があります。
こどもNISAは100円から積み立てられます。
出典:楽天証券「100円から積立可能「投信積立」」/SBI証券も投資信託の積立は100円から
たとえばお小遣いの一部を、子ども自身がこどもNISAに入れるという使い方ができます。
| 毎月のお小遣いから100円でも、自分のお金が値動きする経験ができる |
| 増える月も、減る月もあることを、小さい金額で知れる |
| 12歳以降は、子の同意がないと親も引き出せません。 「自分のお金」として扱われます |
金額が小さくても、経験は同じです。 私自身、積立を始めてから値動きに慣れるまでに時間がかかりました。それを子どものうちに済ませられるのは、大きいと思います。
学校でも金融教育が始まっていますが、自分のお金でないと実感はわきません。 100円でも自分のお金なら別です。
これは「増やすため」ではなく「教えるため」の使い方です。600万円の枠を埋める必要はありません。
5. 手続きで気をつけること
こどもNISAならではの注意点です。
① 親の口座が先に必要です
子どもだけでは開けません。 親権者が同じ証券会社に口座を持っていることが前提です。
持っていない場合は、親の口座開設から始めることになります。
② 子どものマイナンバーが載った住民票が要ります
楽天証券の案内では、お子さんのマイナンバーが記載された住民票の写しをアップロードする必要があります。
役所で取る書類なので、時間がかかります。 マイナンバー入りで請求するのを忘れないでください。
③ 12歳までは引き出せません
12歳以降、しかも子どもの同意があってはじめて引き出せます。
なお「12歳」の数え方は、誕生日ではありません。 大和総研の解説によると、その年の3月31日時点で12歳以上である年(小学6年生の年度の1月1日以降)から、という判定になります。
出典:大和総研「令和8年度税制改正大綱の解説」(令和8年度税制改正大綱にもとづく解説)
金融庁の資料には、こう書かれています。
資金の使途が子のためのものであり、子が払出しに同意したことを示す書面とともに、親権者等(口座管理者)が申出書を金融機関に提出する。
「子どもの教育費として、いつでも取り崩せるお金」ではありません。 中学受験の費用などを想定しているなら、この制限は確認しておいてください。
④ 18歳で自動的に大人の枠になります
手続きは不要です。18歳になると、自動的に大人のつみたて投資枠へ移ります。
そのあとは子ども本人のものです。親が管理することはできなくなります。
6. ジュニアNISAとは何が違うのか
「昔もそんな制度がなかった?」と思った方へ。ジュニアNISAという制度が2023年で終了しています。
| ジュニアNISA(終了) | こどもNISA | |
|---|---|---|
| 非課税で持てる期間 | 5年(その後18歳まで継続管理) | 無期限 |
| 払出し | 2024年以降はいつでも可能 | 12歳以降+子の同意 |
| 18歳になったら | 課税口座へ | 大人のNISAへ自動移行 |
出典:金融庁「2023年までのNISA」
いちばん大きい違いは、非課税の期間が無期限になったことです。ジュニアNISAは5年で終わってしまうので、長期投資には向いていませんでした。
いっぽうで引き出しにくくなったのは、こどもNISAのほうです。良し悪しではなく、「子どものための長期のお金」という性格が強くなったということだと思います。
7. どこで開くか
楽天証券かSBI証券をおすすめします。 どちらも10月1日から受け付けています。
理由は、大人のNISAと同じです。商品の数と、手数料と、ポイントです。銀行や郵便局をおすすめしない理由は、NISAを銀行で開いてはいけない理由に書いたとおりです。
親の口座と同じ会社にしておくと、管理がラクです。すでにどちらかを使っているなら、そのままで問題ありません。
※ 公式サイトへのリンクです
まとめ
| 2026年10月1日に受付開始(受付中)。制度は2027年1月スタート |
| 0〜17歳・年60万円・総額600万円。18歳で大人のNISAへ自動移行 |
| 夫婦のNISAには3,600万円ある。こどもNISAはその6分の1 |
| 夫婦の枠が埋まらないうちは、多くの家庭で必要ない |
| 向いているのは①夫婦の枠を使い切れる家庭、②金融教育に使いたい家庭 |
| 12歳までは引き出せない。教育費の置き場所としては使いにくい |
| 親の口座と子のマイナンバー入り住民票が必要。早めの準備を |
「子どものために何かしたい」という気持ちは、制度とは別の話です。 順番としては、まず夫婦の枠。それが埋まる見込みが立ってから、こどもNISAを考えるのがいいと思います。
関連記事:
- NISAを銀行で開いてはいけない理由 — 証券会社の選び方
- つみたて投資枠と成長投資枠の違い — 大人の1,800万円の中身
- NISAで月いくら積み立てればいい? — 夫婦の枠を埋められるか考えるときに
- NISAでマイナスになった時の対処法 — 値動きに慣れるまでの話
- 生活防衛費の目安と貯め方 — 投資の前に確保するお金
一緒に少しずつ学んでいきましょう!
※この記事は個人の感想です。制度の内容は2026年9月16日時点で公表されている資料にもとづくもので、今後変更される可能性があります。手続きの詳細や必要書類は、口座を開く金融機関の案内を必ずご確認ください。特定の金融機関をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。