こんにちは、てどりんです。

暴落が来たとき、いちばんやってはいけないのは売ることだと言われます。その理由を、数字で説明できる資料を見つけました。

株価が大きく上がる日は、暴落の直後に来ています。 そのため、怖くなって売った人は、その日を逃がしてしまいます。

そして逃した日数が10日あるだけで、20年後の資産は半分以下になります。

1. 20年で、10日逃すとどうなるか

JPモルガン・アセット・マネジメントが毎年出している資料に、こんな試算があります。

S&P500に1万ドルを、2006年1月2日から2025年12月31日まで置いた場合の結果です。

20年後 年率
ずっと持ち続けた 80,619ドル 11.0%
上昇トップ10日を逃した 35,866ドル 6.6%
トップ20日を逃した 21,177ドル 3.8%
トップ30日を逃した 13,826ドル 1.6%
トップ40日を逃した 9,462ドル −0.3%
トップ50日を逃した 6,763ドル −1.9%
トップ60日を逃した 4,966ドル −3.4%

出典:J.P.モルガン・アセット・マネジメント「Guide to Retirement」2026年版(2025年12月31日時点のデータ、S&P500 トータルリターン指数)

20年は約5,000営業日あります。そのうちたった10日を外すだけで、80,619ドルが35,866ドルになります。

0.2%の日を逃すと、資産が55%減るということです。

そして40日を逃すと、20年間投資して元本割れします(年率−0.3%)。

2. 「良い日」は暴落の直後に来ています

ここが本題です。なぜ、その10日を逃してしまうのか。

まず言葉の整理です。この20年のうち、もっとも株価が上がった10日を「良い日」、もっとも下がった10日を「悪い日」と呼びます。

同じ資料に、こう書かれています。

Six of the 10 best days occurred within two weeks of the 10 worst days

良い日10日のうち6日は、悪い日から2週間以内に起きていました。

つまり大きく下がった日の前後2週間の中に、大きく上がった日がまぎれているということです。

さらに続きます。

Five of the six best days occurred after the worst days

その6日のうち5日は、悪い日より「あと」に来ていました。

整理すると、こうなります。

良い日10日のうち6日 悪い日の前後2週間以内に起きた
そのうち5日 悪い日のあとに来た

暴落と急回復は、ほぼセットで起きているということです。

3. 2020年3月に、実際に起きたこと

資料には具体例も載っています。

The second-worst day of 2020 — March 12 — was immediately followed by the second-best day of the year

2020年で2番目に悪かった3月12日。その翌日が、その年で2番目に良い日でした。

コロナショックの真っ最中です。「もうだめだ」と思った日の、次の日です。

3月12日の夜に売る判断をした人は、翌日の上昇をまるごと逃しました。そして多くの人が、まさにそのタイミングで売ります。

4. だから「何もしない」が最善になります

資料の結論部分には、こう書かれています。

最悪の日のあとに売って「コントロールしている」つもりになると、そのあとに来る最良の日を逃すことになりやすい

売るという行動は、一見すると「対処」に見えます。 何もしないより、何かしたほうが安心できる。

でも数字を見ると、その「対処」が資産を半分にしています。

売って、下がってから買い戻せばいいのでは

それができるなら、そうです。 ただ、2つの条件が要ります。

下がりきった日を当てること
いちばん怖い日に買い戻す勇気があること

そして回復は最悪の日の直後に来ます。 売った翌日に買い戻せる人は、そもそも売っていません。

「安くなったら買おう」で失敗した話にも書きましたが、底を完璧に当てられる「神」ですら、淡々と積み立てる人に7割負けます。

5. 私も、売りたくなったことがあります

積立を始めたころ、資産が減っていく画面を見て落ち着かなくなった時期があります。

金額としては小さかったのですが、マイナスの数字が並ぶこと自体がこたえました。 「いったん売って、落ち着いてから買い直そうか」と考えたこともあります。

そのときの話はNISAでマイナスになった時の対処法に書きました。

結果的に売らずに済んだのは、判断が優れていたからではありません。 積立を自動にしていて、触るのが面倒だっただけです。

6. 逃さないための3つのこと

① 積立を自動にする

売る判断をする場面を作らないのがいちばん確実です。私が売らずに済んだのも、これのおかげです。

② 暴落時に見る回数を減らす

見るから、やりたくなります。暴落が来ても売らないに、暴落時の具体的な行動を書いています。

③ 「回復は直後に来る」と覚えておく

大きく上がる日は、大きく下がった日のすぐあとに来ます。 2020年のように、翌日ということもあります。

売りたくなったら、「いま売ると、数日後の反発を逃すかもしれない」と考えてみてください。それだけで手が止まります。

この数字の限界も書いておきます

都合のいい部分だけ紹介するのはフェアではないので、資料に明記されている条件も書きます。

米国株(S&P500)の話です。日本株や全世界株の数字ではありません
手数料や税金を含まない試算です。実際の成績はこれより低くなります
「最良の日だけを逃す」という極端な想定です。実際には最悪の日も避けられることがあります
過去の実績であり、将来を約束するものではありません

3つ目は特に大事です。売って避けられるのは「悪い日」だけではない、というのがこの試算の言いたいことです。

まとめ

20年で上昇トップ10日を逃すと、80,619ドルが35,866ドルに(年11.0% → 6.6%)
40日逃すと、20年かけて元本割れ(年−0.3%)
トップ10日のうち6日は、ワースト10日の2週間以内に起きた
その6日のうち5日は、最悪の日のあとに来た
2020年で2番目に悪い日の翌日が、その年で2番目に良い日だった
売るという「対処」が、資産を半分にする

暴落は必ず来ます。そのとき何をするかではなく、何もしないで済む仕組みを先に作っておくことが、いちばんの備えだと思っています。

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一緒に少しずつ学んでいきましょう!


てどりん
てどりんひとこと 暴落の翌日に、その年で2番目に良い日が来ていた。この事実を知ってから、下がった日に画面を開かなくなりました。

※この記事は個人の感想です。数値はJ.P.モルガン・アセット・マネジメントの資料にもとづくもので、米国株(S&P500)を対象とした、手数料・税金を含まない試算です。過去の実績は将来の成果を約束するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。